「ブラックスワン」
ナタリー・ポートマンがアカデミー主演を獲った作品。
バレエ「白鳥の湖」のWメインを獲ったバレリーナの、プレッシャーとその際に生まれた心の闇が
あらわになるホラーともとれる映画。
正直、予告編がしつこかったので興味なかった。
でもまあ見たい映画もなかったので嫁にもどお?と尋ねたら、うんいいよ~。とのこと。
買い物がてら行ってみることにした。
あいたたたっ。
序盤から痛い。
殆どが幻想の世界なのだが、バレリーナのストレスによってササクレが肉まで剥がれるなど序盤から痛いっ。
爪切をハサミでやられて深爪とか、練習で足を痛めるとか、背中の湿疹が異様だとか。
もう一人の自分も出てきたりして、翻弄されてしまう。
初主演というプレッシャー。
代役の子のプレッシャーと不得意な人間性。
母からの執拗なほどの期待と愛。
ディレクターからの期待と難しい要望。
同じ団員との距離感(これはあまりなかったかな?)
過去の主役との交代、彼女の転落。
これらの重圧に耐えしのぐゆえに嫌な幻想があちらこちらに。
美しそうなバレエの世界もこう見てしまうと流行の陰湿な女性世界の話でしかなく。
踊るたびに聞こえる息遣いはバレエという生き物を演出している
気がした。
華やかとは言いづらい、生のバレエには強さがあり、また精神的な強さが
必要とされた世界なのだと語りかけてくるようだ。
とてもデート映画ではないし、生半可な気持ちでは見れない作品
でもある。ナタリー・ポートマンが賞をとったのは納得できるが、
やはりエンターティメントとしては見ることが出来ないのは
この「生々しいドキュメンタリー」だからなのかも。
薦めることはあまり出来ないが、見ごたえがあるのは確か。
なにより、痛いシーンが多くてそれで疲れる映画でもある。。
終わった直後、嫁と二人で「痛かった」が素直な感想だ・・・。
いやはや疲れる映画だった。。
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